Page 167 - 雑木林の自然誌
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 あとがき
環境のため、生物多様性を守るため、自然からの 恵みをいただくため、雑木林を守り存続させていか なければなりません。
動物が送粉や種子散布を行い、菌類が栄養摂取を 助け、分解リサイクルを担う微生物(土壌動物)が 働いて、複雑な網の目のようなネットワークのなか で、雑木林を構成する樹種は、生かされつづけてい ます。
雑木林には動物や菌類たちが棲み、さまざまな相 互作用を及ぼしながら、幾千年も自然のいとなみを くり返している。これらの「いのちの循環」が雑木 林の姿である。そうした環境の中にあって、雑木林 は自らを更新し、世代をつないでいくことができる。
この21世紀においても、わたしたちは、永遠に めぐる「いのちの循環」があることを、常に確認す ることは、とても大切なことと思います。雑木林で ある生物群集が、循環を繰り返していることを、感 じていただければと思います。
雑木林の恵みを、産業システムのなかでも、人間 社会と雑木林が、互換的に受け渡しあうことが大切 なことです。雑木林が生みだす資源を積極的にいた だき、持続的に利用・活用していかなければならな いと考えています。
わたしが子どもの頃、歩いて5分ほどの所に実家 があって、公園でよく遊んでいました。当時は、ご くありふれた雑木林でした。タケノコ、キノコ (マッタケも採れました)、ノイチゴ、アケビなど、 いろいろと採って帰り、夕餉の食卓でいただいたも のでした。
その後、郷里をはなれ、京都、広島、九州で働き、 定年を迎えて明石・金ケ崎に帰ってきました。雑木 林は開発が進み、整備された公園となっていました が、幼少の頃に遊んだそのままの雑木林が、ところ どころに残っていました。
そのわずかに残された雑木林が懐かしく、魅かれ ていくものがあって、写真に残そうとまとめたのが この写真集です。なにかの参考になればうれしく思 います。
最後に、この作品は、(株)くとうてん・永幡由美子 さんの助言と協力があって、まとめることができま した。感謝いたします。
               土井敏郎
        明石市魚住町金ケ崎1330-1
メール:yhhqk779@yahoo.co.jp
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